生命保険の告知と審査とは
生命保険というのは、加入者がお金を出し合い、加入者の誰かが万が一のことが起こったときに出し合ったお金の中から保険金が支払われる「相互扶助」の仕組みで成り立っているため、加入者の公平性を保つために、保険会社は、厳しい引き受け基準を設けています。
生命保険の申し込みの際、被保険者には健康状態や職業などを告知してもらい、保険会社は審査します。
危険度が高い職種の人や、持病があるなどの健康状態に問題がある人は保険会社から見て保険金、給付金の支払いリスクが高い人と判断され特別な条件がつく場合があります。
審査で一番重視されるのはやはり健康状態の告知です。
がんなど、大きな病気にかかると保険に入れないというのは理解しやすいですが、大きな病気ではなくても一定年齢になってからの病気の入院や、飲んでいる薬次第では審査に大きく影響します。
また、健康診断の結果で数値が高い場合や、要治療・要再検査などが健康診断書に書かれているケースも審査に影響します。
これは、一定年齢になるとそれが原因で今後大きな病気に発展する可能性があると判断されてしまうからなのです。
次に職業に関する審査ですが、危険度が高い職業の人は、生命保険の保障額や、入院日額が制限されたり、生命保険自体に加入できない場合があります。
危険度の高い職種は、高所作業を扱う職業、爆発物や高電圧設備を扱う職業、スタントマン、レーサー、プロの格闘家、消防士 などがあげられます。
こちらも各保険会社によって異なります。
次に道徳上の審査です。生命保険の加入には、生命保険を不正目的として利用してないかなどのモラルリスクも問われます。
収入や資産に対して保障額が高額な場合は、加入できなかったり、制限がかかる場合もあります。このようなことを防ぐために申込書に契約者の大まかな年収の記入しなければいけない保険会社もあります。
生命保険の告知と審査項目
生命保険に加入する際には、被保険者は所定の告知書に自身の健康状態についてありのままを記入しなければなりません。
被保険者の告知をもとに保険会社が審査をし、引き受けを判断するので告知書の記入は重要な作業です。
被保険者が満15歳以上の場合は必ず被保険者自身が記入することになっています。万が一告知の内容が事実と異なっていることが発覚してしまうと保険会社は契約を解除したり、保険金、給付金が支払われない可能性もあります。
告知の項目は一般的には
「最近(3か月以内)の健康状態について」
「過去(5年以内)の病気やケガについて」
「過去(2年以内)の健康診断結果について」
「身体の障害について」となっています。
他に該当者のみ告知が必要な項目「がんについて」「妊娠・出産について」等があります。
以上の告知の内容で引き受けるかを審査をします。
質問に対しては、告知書の「はい」か「いいえ」にチェック(○)していきます。「はい」に該当する場合は別欄に病状を詳しく記入する必要があります。
記入が必要なのは、「病気・ケガの名称や部位」「診査・検査・治療・投薬の期間」「医療機関名」「入院の有無や期間」「手術の有無や手術名」「現在の状況」などについてです。
現在投薬がある場合でも、飲んでいる薬次第では問題なく生命保険に加入できる場合もあるので薬の名称などは詳しく記入するといいでしょう。
健康診断・人間ドックでの指摘については、指摘された部位や数値、検査の所見等を記入し、再検査の結果を記入したり、場合によっては再検査の結果表を提出を求め審査する場合もあります。
生命保険の告知と審査の注意点
生命保険の加入の際、告知書の記入は必ず被保険者本人が記入し、ありのままの健康状態を告知しなければなりません。
担当者(生命保険募集人)に口頭で告げただけでは告知したことにならないので注意が必要です。
自己判断をして告知をしないなどは絶対にあってはなりません。
ありのままを告知し審査の結果、追加で検診書や人間ドックの結果表の提出を求められたりする場合もあります。審査よっては無条件で引き受け、引き受け不可、特別条件付き(特定の部位を不担保など)のいずれかで回答がきます。
生命保険に加入するということは、自分に万が一のことが起こったときの経済的な備えが目的ですので、正しい告知をし、審査を受けて始めて備えを得ることになります。